米財務省は2026年10月23日、国家安全保障上の枠組みに基づき、米国のベンチャーキャピタルや投資ファンド、企業による中国の先端技術分野への対外投資規制を大幅に拡大する規則案を公表しました。従来の半導体や量子コンピュータに加え、最先端AIおよび先端バイオテクノロジー領域への資本流入に一段と厳しい網がかけられます。
米政府が特に警戒しているのは、単なる投資資金の提供にとどまらず、米国の投資家が持つ高度な経営ノウハウや国際的な研究者ネットワーク、サプライチェーンへのアクセス権といった「無形の利益」が懸念国の企業へ渡ることです。自律型AIや遺伝子解析・創薬AIなどのデュアルユース(軍民両用)技術が、軍事作戦や生物兵器開発、高度な監視システムに転用されるリスクを抑え込む狙いがあります。
新たな規制案では、一定規模以上の計算資源を用いて訓練されるフロンティアAIモデルや、生体データを扱うAI基盤の開発企業に対する米国人の出資・合弁事業が原則禁止または事前届出の対象となります。さらに中国だけでなく、ロシア、イラン、北朝鮮、キューバといった懸念国や、第三国のペーパーカンパニーを経由した迂回投資の監視体制も大幅に強化されました。
先端半導体の輸出規制という「モノの封じ込め」に続き、AIとバイオの融合領域に対する「カネと知恵の封じ込め」が本格化した形です。グローバルに展開するテック投資家や多国籍企業にとって、出資先の技術用途や資本系列の厳密な審査がこれまで以上に不可欠となります(一次ソース:米財務省 公式発表)。
