米NVIDIAとドイツの大手電力会社E.ON傘下で原子力施設の解体・管理を担うPreussenElektra社は2026年10月24日、ドイツ国内で廃炉となった原子力発電所の跡地を高性能AIデータセンターへ転用するための共同実現可能性調査を開始したと発表しました。
今回の構想は、閉鎖された原子炉そのものを再稼働させて発電するのではなく、かつての発電所敷地に残されている重厚な産業インフラをそのまま引き継ぐ点に特徴があります。原子力発電所の跡地には、ギガワット級の大電力をやり取りできる超高圧送電網への直結設備や大容量の冷却用水取水システム、厳重な物理セキュリティを備えた工業用地がすでに整っています。
現在、欧州をはじめ世界各地で巨大AIデータセンターの建設ラッシュが起きていますが、ゼロから用地を取得して新規の送電網接続許可を得るまでに5〜10年近くを要する「系統接続待ち」が最大の障壁となっています。既存の廃炉サイトを活用すれば、電力網への接続審査や環境アセスメントの期間を劇的に短縮できるメリットがあります。
両社は今後、PreussenElektra社が管理する複数の旧原発サイトを対象に、現代のAI工場が求める技術要件や経済性の検証を進めます。脱原発を完了したドイツの遊休インフラを次世代の計算基盤として蘇らせるユニークな試みとして、欧州全体のデータセンター開発に波紋を広げています(一次ソース:PreussenElektra 公式発表)。
